研究者からメッセージいただきました!

おかげさまで、その後、X線結晶解析により物質の同定ができました。アルミニウムの3シュウ酸>配位錯体でした。錯体とは思っていませんでしたので、元素分析も難しかったと思います.(京都大学 平井伸博)

投稿した論文
K. Nishino, M. Shiro, R. Okura, K. Oizumi, T. Fujita, T. Sasamori, N. Tokitoh, A. Yamada, C. Tanaka, M. Yamaguchi, S. Hiradate, and N. Hirai.
The (oxalato)aluminate complex as an antimicrobial substance protecting the “shiro” of Tricholoma matsutake from soil microorganisms.
Biosci. Biotech. Biochem., 81, 102-111 (2017).

元素分析の良好な結果をえるには

いろいろな研究者からサンプルが送られて来ます。良い結果を出しているところはやはり元素分析をよく理解されていて、再結晶や乾燥を理想的に行って元素分析が学生の教育に組み込まれていると感じます。結果が良かった場合にみんなで
喜び合ったという連絡が来ますが、こういう喜びのあることに関係していると
思うと分析者も張り合いがでて単純な作業も続けることが出来るのです。しかし
再結晶や十分な乾燥でも合わない場合もあります。そういう場合の解決方法を提案したいと思います。

超微量分析17件良好な結果で安心-2

超微量元素分析がぴったり合うのはそう難しいことではありません。しかし、超微量で行えば良い結果が出るようだとすぐに取り入れないようにご注意ください。元素分析はサンプルを量るところが重要で、そのためには環境をしっかり整えることが必要です。温度と湿度の管理及び風向き・・・ドラフトなどと同じ部屋に天秤が置かれていないか・・など。天秤環境の整備には随分苦労がありました。必要な環境を整えられない大学の事情があるからです。現在、ア・ラビット・サイエンスラボは家庭用のエアコン2台設置された環境です。いろいろな経験から・・これが案外・・いいのです!

超微量分析17件良好な結果で安心-1

1mg以下での超微量元素分析が良い結果を出すことは経験的に気がついたことでした。その後、データを沢山とって確認しておりますが、微量分析の長い歴史があるために受け入れがイマイチです。超微量元素分析の指定でSe含有の化合物17件の依頼が入ったので嬉しく分析しました。ぴったりと次々に合うので仕事がはかどりました。0.5%のハズレのものは再分析、2回分合わせても1.5mgで微量分析1回分です。つづき⇒

冷凍便について

サンプルの冷凍便送付について
 心配していることがあります。

 サンプルを冷凍すると微妙に合わないようです。
 冷凍すると空気中の水分が凝縮してサンプルにつくのではないかと考えています。
 重さに誤差を与えるかも知れないのです。
 確信はありませんが、サンプルを冷凍して出されたもので冷凍しないものと比較実験
 させていただいた事例を紹介します。
 条件が異なるので確信はありません。ご参考ください。

事例
試料       mg   C % H % N %
  calc.          55.86 6.12 5.67
乾燥依頼サンプル      1.771 55.71 5.99 5.62
凍結乾燥したサンプル 1.446 55.45 6.01 5.29
凍結乾燥したサンプル 2.043 55.12 6.06 5.29

元素分析値への認識の話

研究者の元素分析への理解が間違っていると思うことがあります。他機器で十分検討しており、分析値は間違いなく合うはずだという言い方をされるのです。確かに理屈はそうなのですが、元素分析は質量を基準に含有%で表現しています。水分や反応に用いた金属のわずかな夾雑、溶媒中の不純物などの影響で質量に誤差が生じ、合わないことが多いのです。合うためには水分や溶媒の除去をしっかりやらなければなりません。それができているかどうか・・元素分析をして初めてわかるわけです。この基本がわかる研究者のサンプルは準備が良いのでよく合います!

専門職のお話

そのことだけを長くやっていると、失敗その他の経験からやり方の要領やこういう使い方があるかしらと応用できる事への気づきなどが蓄積されるものです。装置が完璧でマニュアル通りにすれば良い結果が得られることは勿論ですが、実際はいろいろな局面があるもので・・・・この局面について・・再現性のない局面について対応できるのが専門職。依頼者はこうやれああやれと指示を出さないで、まずは相談されて欲しいです!と言いたいのですが、何年たってもわからない思いを抱えているのも事実なので、実験をして一生懸命確かめることに努めています!

分析サンプルの乾燥についてのお話

古来元素分析用サンプルは前処理として十分な乾燥を必要としています。乾燥方法は、講座開設の古いところでは伝統的な方法で行われていると思われますが、最近、真空乾燥や減圧真空乾燥で行っているところもあるようです。Wikipediaで調べてみると、真空乾燥は本当に内部の水分を飛ばしているか疑問ありました。また凍結乾燥は依頼者に室温に戻すときに十分な乾燥外気中でするようにお願いしています。問題にしているのは数μgー数10μgの水分で許容誤差に関わることになるからなのです。

吸湿性のこと

吸湿性のサンプルは超微量天秤では質量が増加していきます。天秤の液晶画面に表示される数字が大きい方へ変化します。その変化のスピードで吸湿性の強度がわかります。弱い場合は天秤の判定条件に収まって秤量値が印字されることもありますが、アルミボートを封じて読み取りを安定にして秤量しています。依頼されるサンプルに吸湿性と記載されているものがありましたが、天秤上では軽くなっていきました。溶媒が残っているのかもしれません。こういう個々のサンプルの性状に元素分析は依存しているので、合わない場合、分析精度が悪いのかと思わないようにお願いします。

微量分析と超微量分析

微量分析はmg量を燃焼して含有量を求める方法で、超微量分析は1mg以下の量で元素分析を行うものです。ア・ラビット・サイエンス社は超微量分析を専門として起業しました。しかし、元素分析はmgでの測定が定着しているため、ご利用される研究者にはこだわりがあるようです。元素分析方法はTCD検出器を用いるのがほとんどですが、この検出器はmgより超微量(1mg以下)の方が正しい検出をします。開発当時は試料を超微量で正確に測れる天秤がありませんでした。そこで微量量でも精度よく分析する原理を考えたのがパーキン製とヤナコ製(現在はジェイサイエンス製)なのです。しかし超微量天秤の発達と分析装置の電気的な進歩があり、超微量分析が可能になりました。実際、多くのサンプルを分析して、超微量の方が安定して良い精度が出ているのです。