存在しないことの探求

科学の世界では存在するかしないかも研究の対象となる。「無の科学」という新刊案内に”To be or not tobe,that is the question”というシェークスピアのセリフの紹介があった。実は元素分析においてもこのような質問があるのです。Nはあるかないのかと。元素分析は検量線によりその量を決定しますが、検量線の数式は y=ax や y=ax+b といっても計量のゼロに関する「真値」はありません。そこでゼロ付近の値と1mg位の標準試料を分析して理論値分を差し引いた値とを数個で比較したところ・・・ゼロ付近はすこし浮動があることが示されました。これも学問と思いますが・・・・重箱の隅をつつくようなといわれたりもします。元素分析は存在するものを正確に量ることですから。検出限界の計量における定義もありますが、それでもなお真値は”あるのかないのか” 解決しません。