元素分析は化学の知識に依存するが、手を使う仕事である。全自動分析計であるので、よほど器用でないとできないというほどのことはない。そう思っているが、時に試料が大気中不安定でヘリウムやアルゴンを封入して出されることがある。サンプルを量って炉に投入することの繰り返しが業務であるが、不安定サンプルは急いで量らなければならない。粉状、塊、フレーク状・・・すぐに色が変わるものなどさまざまな試料を瞬時に量り、炉に投入する。分析装置の進行具合を計算しながら直前に量る。天秤の安定化ランプの点灯を待ってはいられない。2秒以内に量る。このような試料が20件あれば5時間近く、分タイムのスケジュールを休まず続ける。分析結果は安定して良かった。ほっとするが、元素分析にはこのような早業と我慢の技術がある。これは一朝一夕にはできないと思っています。