学会発表をするためにその証明の実験データが必要ですが、元素分析データは研究者が行うことはあまりありません。研究者は精いっぱい精製に努める方法しかなく、分析者に依存しなければなりません。一方、計測データはいろいろな分野でその方法の手段の取り決めがあり、忠実に従って出したデータは信頼を得ることができます。計測データと実験証明の機器データは違うものです。実験証明のデータは分析技術者の判定の力が入ります。サンプルの純度、性質、分析装置の状態などいろいろありますが時に直観力もかかわります。これは理論値に合わないだろう、これが合わないのはおかしいと思うなどいろいろな判断感情が入るものです。毎回そのサンプルと一期一会の出会いなので、その向こうに研究者の気配を感じています。計測の証明との違いは、もっと科学的なことですが、分析者の生身の心情も伝えたいと思うことがあります。