元素分析は構造決定と試料中のC、H、N各元素の定量をする目的があります。どちらもその信頼性について利用する側があまり論じることはないようです。分析技術者の信用が最も重要と思われているからですが、客観的な信頼性を確立することは大事です。構造決定の場合の元素分析は実験値ですので分析過程が明瞭であれば問題ないはずです。秤量値の客観性、分析装置の信号値記録、計算過程など追跡できるようデータが残っていれば良いのですが、産業界で行っている計測の場合はその方面の公定法や標準方法などに準拠しなければなりません。近年は国際的に計測値の比較ができるような取り組みが行われており、弊社でもJCSS校正の行われている天秤の設置や国際認証標準試料へのトレーサブルな分析を行うなど取り組み始めました。報告する数値の信頼性について常に新しい情報を取り入れより良い分析値を提供するよう努めていきたいと思います。